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2007年10月23日 (火)

上海の紅い死

上海の紅い死を読んで

この小説に描かれる90年の上海や広州は改革開放政策によって大きな変貌を遂げつつあり、登場人物たちは、誰もが何らかのかたちで文化大革命と改革開放政策の影響を受けている。
小説の主人公、上海警察殺人課特務班の警部である陳操(チェン・カオ)と彼の部下の刑事、兪光明(ユ・グアンミン)もまた例外ではない。物語は一人の女性の全裸死体から始まる、身元不明の・遺留品は無い しかし写真を配るとすぐに身元が特定された。
彼女は「全国模範労働者」で有名人だった。政治的な事件に発展するのか?単なる痴情のもつれか?それとも該者は彼女を有名人とは知らずに・・・
事件が進むにつれて被害者と同じ境遇を感じる陳操警部。性別も育ちも違う彼らの共通点とは

またこの陳操警部は英語が堪能で詩も書き、知性を感じる。
作品中にちりばめられた詩がとても良い感じです。

中国を舞台に書く現代小説では、結構面白かったです。

作者は陳操警部を次の本でも書こうとしているらしい。

作者の紹介ジョー・シャーロン
上海生まれ。文化大革命が始まったときは小学生だった。香水店のオーナーだった父親はブルジョワ分子とみなされ、父親が人民裁判にかけられ、自己批判させられたとき、幼い著者もそこに立ち会っていた。その後、上海で英語を自習し、北京外国語大学に進み、英米文学を専攻。1988年にはフォード奨学金を得てセントルイスのワシントン大学に留学。中国ではすでに詩、評論、翻訳を発表し、作家協会の会員でもあったが、やがて天安門事件が起きるとアメリカに留まる決心をし、夫人も呼び寄せた。現在はセントルイス在住で、ワシントン大学で中国文学を教えている。1995年以降は定期的に里帰りもしている。

(『上海の紅い死』訳者あとがきより抜粋)